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佐藤秀吾さん (8hnjjwr9)2022/11/4 13:52 (No.596133)削除
記憶  織守きょうや「記憶屋」(角川ホラー文庫 2015年)

 「記憶」というものに対して、皆さんはどんなイメージを抱くでしょうか。内容によると言われればそれまででしょう。良い記憶は人生を明るく前向きにしてくれます。一方で、あまり良くない記憶は、それを糧に出来ると考える人もいれば人生に悪影響を及ぼすものとしてしか考えていない人もいるかもしれません。抱く思いや考え方はそれぞれだと思います。ですが、もし、現実世界において「記憶の完全消去」が可能になったとしたら、皆さんは「記憶」に対してどう向き合っていきますか?
 今回はそんな「記憶」を消せる世界でのお話をご紹介したいと思います。
 私が今回ご紹介する本は、「記憶屋」という小説です。物語の世界には「消したい記憶」を消すことができるといわれている「記憶屋」という都市伝説が存在します。だれしも長い間生きていれば消したい「記憶」の一つや二つあると思います。実際私も、「記憶」を消すことができたらいいなとこれまでの人生で何回思ったかわかりません。このことに共感してくれる人は多いと思います。ですが、私が感じていたこの思いはこの物語を読んで少しずつ変わっていきました。「記憶を消去できる」と聞くと、どうしても個人の目線で考えてしまいます。自分が感じた嫌な気持ちを忘れたい、あの時のトラウマを忘れて普通に過ごせるようになりたい。こういった希望を抱くのは自然なことです。今まで感じてきた苦痛から解放されるなら誰だってきっとそう思います。でも、消された思い出の中にいた人はどう思うでしょうか。この物語で記憶を消される人はそれぞれつらい思いをしてきた人で、記憶を消されることを望んでいます。そのことに関して止めることは誰にもできません。ですが、消された思い出の中で関わってきた人のこともすべて忘れてしまいます。この物語の主人公は自分の大切な人に忘れられた側の人物です。そういった人物がこの物語には何人も登場してきます。その一人一人の話がとても深く、記憶や思い出に関する認識を変えられるような内容になっています。よろしければ暇な時間にでも読んでみてください。(861)
佐藤秀吾さん (8hnjjwr9)2022/11/4 14:20削除
いらない、消したい。 ーー織守きょうや『記憶屋』(角川ホラー文庫 2015年)
さん (8hn4n92a)2022/11/4 14:53削除
最初に問いかけがあることによって一緒に考えて頭を整理しながら読むことができました。どんな人であっても人に忘れ去られるというものはやっぱり悲しいものですよね。
椎名遥さん (8hjyfbyy)2022/11/4 15:03削除
主人公の立ち位置が面白そうだな、と思った。「記憶」に関して、別の視点から考えさせてくれそうな作品だと読み取れる。
メタキンさん (8hn35llv)2022/11/4 15:16削除
始まりの見ている人に対する問いかけで見ている人の思考をある程度固めてから、この本では記憶をどう扱って自分はどう思っているかを書くことで見ている側にすっと入ってくるような文章でした。記憶は自分を形作るピース、ならそれを消してしまえば自分はどう変わるのか、それは消してみなきゃわからないなと思いました。
蒼穹の竜さん (8hk0l1ap)2022/11/4 15:29削除
すぐに本を紹介するのではなく、始めに本に繋がった導入を置くことで話への興味を惹きやすくしていると感じました。話も一度は思ったことのある内容なのでとても興味深いです。
Y
YOFFYさん (8i3w1ebh)2022/11/4 22:31削除
導入で本のテーマについて考えさせてからあらすじを紹介することで一気に没入できる文章構成がうまいと感じた。
限界突破さん (8hmqoosw)2022/11/4 23:41削除
冒頭の問いかけから、本文へスムーズに読むことができました。自分が読んだ時の心境の変化も書かれていて興味が湧きました。記憶について、私も小説の内容に共感できる部分が多かったので、ぜひ読んで見たいなと思いました。
主食かぼちゃさん (8iiizdpv)2022/11/5 01:06削除
中学生の頃に読んだ事があります。当時はさらっと読んだだけで特に何も考えていなかったのですが、いろんな立場に立って考えられるようになった今もう一度読んでみたいと思いました。「記憶の完全消去」という強めのキーワードを入れているのがとてもいいと思いました。興味を惹かれます。
s
sososoさん (8hlne9f4)2022/11/6 21:08削除
導入の部分から問いかけなど読み手を引き込むような書き方に魅力を感じました。
ノスケさん (8hpetckf)2022/11/10 10:27削除
共感できる文章にうんうんと頷きながら読んでいました。忘れた側ではなく忘れられた側にフォーカスしているのが面白いですね。
ムロさん (8ho1qpjs)2022/11/11 00:53削除
問いかけがところどころにあり、惹きつけられる書評だと思いました。消したい記憶の中に自分が入っていることがすごく切ないなと感じました。
なすさん (8ixpe9va)2022/11/11 12:13削除
紹介文の最初の問いかけがとても響くものがあると思った。最初は記憶を消した側が主人公なのかと思っていたが忘れられた側というのも面白そうだなと思ったので是非読んでみたいと思う。
返信
池田紗希さん (8htw7uxs)2022/11/4 13:10 (No.596091)削除
全てを裏切られる一週間のミステリー
『自殺予定日』秋吉理香子(東京創元社 2016年)

「父を殺したのは、母です。
さようなら。
いつか母に天罰が下ることだけを願って。」渡辺 瑠璃

この物語は、一人の孤独な少女の遺書から始まる。
有名シェフであった父の死後、遺産や順風満帆のビジネスを引き継いで生き生きと活躍を始めた義母の姿に、女子高生の瑠璃は「継母が父を殺した」と確信し、死をもって告発することを決意する。そして、自殺の名所と言われる山奥で首を吊ろうとし…たところで、幽霊の裕章に出会った。彼は義母の罪の証拠を見つけようと提案をする。期限以内に見つからなければその時死ねばいいと。そしてその日から一週間後、それが瑠璃の「自殺予定日」になった_
とまぁなんとも鬱々としたストーリーである。がしかし、この暗い設定こそがこの物語の面白さを引き出す絶好のスパイスなのだ。
というのも、この小説には風水、料理、恋愛、友情、ビジネスなどの多くの要素があり、暗い雰囲気をかき消してくれるのだが、ふとした瞬間にひょいと「自殺」という激重パワーワードが顔を出し、読み手の心情を一気に底へと突き落としてくる。まるでジェットコースターのように物語が進む作品である。
また、瑠璃は風水に頼りがちな少々捻くれた性格をしている。それ故に人間関係が壊れてしまうが、仲直りをするにも風水を頼ろうとする。そんな瑠璃は裕章に呆れられ「最初からそんなものに頼らず自分の力でなんとかしてみろ」とお叱りを受けてしまう場面があるのだが、このシーンにおいては私も他力本願な節があるのでギクッとしてしまった。そして瑠璃は何が最善の方法なのか、自分の力で答えを導こうともがく。その姿は女子高生らしい爽やかなものは薄く、悲しみと憎しみに塗れた実に人間臭いものであるが、元の性格の強かさが芯にあるので、読んでいてとても痛快だった。
この作品は難しいトリックなどはないものの、あくまでもミステリーなので、最後まで読んだ後に再度読み返してみると、登場人物たちの見え方が変わるのも面白いポイントだ。
そして、瑠璃の行く末はハッピーエンドかバッドエンドか、はたまたメリーバッドエンドなのか!?
ぜひこの本を読んで体験してみてほしい。(880字)
池田紗希さん (8htw7uxs)2022/11/4 14:21削除
全てを裏切られる一週間のミステリー −−秋吉理香子『自殺予定日』(東京創元社、2016年)

「父を殺したのは、母です。
さようなら。
いつか母に天罰が下ることだけを願って。」 渡辺 瑠璃

この物語は、一人の孤独な少女の遺書から始まる。
有名シェフであった父の死後、遺産や順風満帆のビジネスを引き継いで生き生きと活躍を始めた義母の姿に、女子高生の瑠璃は「継母が父を殺した」と確信し、死をもって告発することを決意する。そして、自殺の名所と言われる山奥で首を吊ろうとし…たところで、幽霊の裕章に出会った。彼は義母の罪の証拠を見つけようと提案をする。期限以内に見つからなければその時死ねばいいと。そしてその日から一週間後、それが瑠璃の「自殺予定日」になった_
とまぁなんとも鬱々としたストーリーである。がしかし、この暗い設定こそがこの物語の面白さを引き出す絶好のスパイスなのだ。
というのも、この小説には風水、料理、恋愛、友情、ビジネスなどの多くの要素があり、暗い雰囲気をかき消してくれるのだが、ふとした瞬間にひょいと「自殺」という激重パワーワードが顔を出し、読み手の心情を一気に底へと突き落としてくる。まるでジェットコースターのように物語が進む作品である。
また、瑠璃は風水に頼りがちな少々捻くれた性格をしている。それ故に人間関係が壊れてしまうが、仲直りをするにも風水を頼ろうとする。そんな瑠璃は裕章に呆れられ「最初からそんなものに頼らず自分の力でなんとかしてみろ」とお叱りを受けてしまう場面があるのだが、このシーンにおいては私も他力本願な節があるのでギクッとしてしまった。そして瑠璃は何が最善の方法なのか、自分の力で答えを導こうともがく。その姿は女子高生らしい爽やかなものは薄く、悲しみと憎しみに塗れた実に人間臭いものであるが、元の性格の強かさが芯にあるので、読んでいてとても痛快だった。
この作品は難しいトリックなどはないものの、あくまでもミステリーなので最後まで読んだ後に再度読み返してみると、登場人物たちの見え方が変わるのも面白いポイントだ。
そして、瑠璃の行く末はハッピーエンドかバッドエンドか、はたまたメリーバッドエンドなのか!?ぜひこの本を読んで確認してみてほしい。(880字)
さん (8hn4n92a)2022/11/4 14:49削除
最初に興味を引かれるセリフを入れることで関心を持って文章を読んでいくことができました。2周目も美味しく味わえるという本は魅力的ですよね。今度読んでみたいと思います。
カヌレさん (8hk1tkzn)2022/11/4 15:15削除
まず、タイトルで惹きつけるのが上手いと思いました。そして最初からインパクトある遺書の文が提示されていることで、思わず主人公の真意を探ろうと思考を巡らせてしまいました。紹介文を読む前から興味を掻き立てる文の構成で、人物紹介もわかりやすかったです。
メタキンさん (8hn35llv)2022/11/4 15:24削除
始まりから自殺というこの小説の最も大事なキーワードを前面に出すことで、読み手に印象付けそのキーワードが本の中でどのように出てくるのか気にならせる文章で、さらに本の一側面でなく全部合わせて魅力的なのだと読み手に伝えるいい文章でした。
キアイ、デ、、サチオさん (8hnjjwr9)2022/11/4 15:31削除
読む人に興味を持たせるのがとても上手な文章だと思いました。何に関してもつかみは非常に重要だと思うのでこの表現方法は参考にしたいと思います。非日常感の度合いが大きい作品ほど話の展開や結末が気になるので読んでいてとても興味がわきました。
椎名遥さん (8hjyfbyy)2022/11/4 15:36削除
始まりに印象付ける文章を持ってくる形で興味を引くのが上手だと思う。また、「ジェットコースターのように」のような比喩も、読者の理解に良い効果を与えてくれている。文章のテンポ感も良い。
蒼穹の竜さん (8hk0l1ap)2022/11/4 15:49削除
遺書が始めに記述されていることによって、これからの本文への興味が出ました。まとまりのある文章で、物語の雰囲気やキャラクター性がこの文を見ただけで伝わってきました。個人的に瑠璃は私の好きそうなキャラだと感じました。
低い城の男さん (8io52kyh)2022/11/4 18:59削除
作品への興味を引き立てるような文章構成がしてあって良いと思いました。最初に作品で重要になってくる一文を置いたのもより興味を引き立てる一因だと感じました。
限界突破さん (8hmqoosw)2022/11/4 23:24削除
本文を読みたくなる書き出しが印象的でいいと思いました。あらすじと、登場人物の特徴の他に、自分の感想も書かれていて読みやすかったです。内容がとても面白そうなので、ぜひ読んで見たいと思いました。
ムロさん (8ho1qpjs)2022/11/5 10:57削除
みなさんも書かれているように、書き出し方が目につきやすく読んでみたくなるような気になる文だと思いました。それに加え、「激重」擬音語を使われていて親しみやすいため、読みやすい文だと思いました。
s
sososoさん (8hlne9f4)2022/11/6 21:02削除
紹介文を読んだだけで物語の情景が伝わってきました。
ノスケさん (8hpetckf)2022/11/10 11:53削除
遺書は終わりのイメージがありますが、そこから物語が始まるというのが面白いですね。ミステリーでありながら幽霊や風水といったスピリチュアル的要素も楽しめる作品ということで興味が湧きました。
そこら辺の草さん (8htak834)2022/11/11 05:59削除
めちゃめちゃインパクトのある書き出しでとても惹かれました。「自殺」という単語に延々振り回されつつ、ミステリーも散りばめられている物語の構成がとても面白そうだなと思いました。
なすさん (8ixpe9va)2022/11/11 12:02削除
他の人も言っているように紹介文のタイトルや冒頭がとても引き付けられた。それだけでこの本に対する興味が沸いた。池田さんのこの本に対する熱意を感じれるとてもいい紹介文だったと思う。
返信
外石豊さん (8hjyqclq)2022/10/29 21:05 (No.590251)削除
妖との掛け合いがクセになる  畠中 恵『しゃばけ』(新潮文庫、2004年)
日本古来から存在を信じられている妖。彼らに対していたずらをするイメージや怖いイメージを持っている人は少なくないだろう。そんな妖に対するイメージを「しゃばけ」は少し変えてくれる一冊となっている。
この物語は江戸時代の中心地である江戸にて廻船問屋・長崎屋の若旦那である一太郎を中心に、色々な事件に遭遇しては解決していくという内容になっている。
若旦那の生まれた廻船問屋は江戸でも有数の大店であり手代や小僧を数人雇っている。
その手代に朝起きて店に来るかを賭けにされる事があったほど若旦那は体が弱い。何かあるだけで数ヶ月寝込む事もあるため、両親が病弱な息子のため廻船問屋である事を活かし方々から薬を集めている。次第に規模が大きくなり、薬種問屋を開けるほど多くの薬が集まり、若旦那が切り盛りしている。しかし若旦那が働こうとすると両親や手代二人から「疲れて熱を出してしまう」と全力で止められてしまうのだ。この手代には秘密がある。それは妖だという事だ。この事実を知っているのは若旦那とその祖父だけである。病弱な若旦那を守るためにとまだ若旦那が小さい頃に祖父がこの手代を傍に置いたのだ。それからというもの、若旦那の周りに妖が現れるようになったのだ。その妖達と色々な事件を解決していくのだが、何があっても若旦那の安全と健康が第一と考えている手代は若旦那を普段は甘やかすが危険があると感じると若旦那のいう事も聞かず勝手な行動をするため、妖が若旦那に事件の話をしただけですぐに妖を殺してしまおうとする。若旦那を喜ばせたい妖達は懸命に事件の手がかりを調べて報告するのだが手代に殺されかける。若旦那は自ら妖に手がかりを探してきて欲しいとお願いしているため、妖を庇おうとするが手代達はそんな事お構いなしに罰を与える。こういったやりとりをしながらなんだかんだ手代を味方につけ事件を解決していく。
異常なほど甘やかしてくる親や、人と妖の価値観の違いなどを描いており、他のサスペンス作品とは一味違う妖達とのコメディ感溢れる作品となっている。妖との面白おかしいひとときを是非体感して欲しい。  (874文字)
椎名遥さん (8hjyfbyy)2022/11/4 15:18削除
題材として「妖」を使うものをあまり見ないので、イメージを変えることが比較的容易だと思う。そのため、新たなイメージを植え付けてくれそうな本だと感じた。
さん (8i3wm1q9)2022/11/4 15:27削除
普段味わうことのできない非日常を味わえそうな話でわくわくしました。妖たちと人間がどんな会話関わりをしていくのか楽しみです。コメディ風味なのが時代背景江戸の堅苦しさをいい感じに調和してくれていそうで読みやすそうだと感じました。
銀燭さん (8hjytxx7)2022/11/4 15:27削除
手代の妖たちは、若旦那がとても好きというか忠実なんだなという様子が伝わって来ました。もともと妖に怖いイメージを持っていなかったのでほんわか読んでいましたが、小説で妖ものをあまり読まないので読んでみたいと思います。
リョウ・ヒョウヒョウ・ビンビンさん (8htw7uxs)2022/11/5 00:50削除
「妖」はとても好きなモチーフなのでぜひ読んでみたいと思いました。作品の概要が細かく書かれていたので内容はわかりやすかったのですが、その文量が全体に対して多すぎるように感じました。外石さんのこの作品を読んでの感想なども知りたいなと思ったので、もう少し概要をまとめてみると良いかもです!!
s
sososoさん (8hlne9f4)2022/11/6 21:12削除
導入分から読み手を引き込むような紹介文を読んで、この本を読んで見たいなと思った。
そこら辺の草さん (8htak834)2022/11/11 06:05削除
妖がモチーフになった世界観がとても好きなので、簡単かつ丁寧に書かれたあらすじが読みやすかったし頭に入りやすくていいなと思いました。あとは読んで見ての自分の感想などももう少し入れるともっと良くなると思いますよ!
なすさん (8ixpe9va)2022/11/11 11:54削除
この紹介文の中で登場人物の関係性などよくわかるように説明されていて良いと思った。妖と若旦那と手代との掛け合いなども面白そうだと感じたので是非読んでみたいと思った。
返信
小林奈菜子さん (8hk1tkzn)2022/10/28 16:33 (No.589008)削除
地に足をつける  森 絵都『ラン』(角川文庫 2013年)

 「何のために走るのか」 目的は人それぞれですが、あなたは亡くなった人に会えるなら、40kmを走りますか。
 主人公、環は13歳で両親と弟を事故で亡くし、その後、叔母にも先立たれてしまう。彼女は周りで死が起こるたび、自分が一人になるのではなく、あの世とこの世の隔たりが脆くなり、死んでしまった家族へと自身が近づいているように感じていた。
 そんな彼女は、仲のいい自転車屋の店主から「モナミ一号」という名前の自転車をプレゼントされる。ある日、モナミ一号に乗り、帰宅ルートを走っていると、不思議な力に導かれ、生きたまま念願のあの世へと辿り着く。家族との再会を果たすも、やがてモナミ一号を手放さなければならなくなる。モナミ一号を失えば、あの世までの距離40kmを走らなければならない。しかも、あの世にいる家族には転生までのタイムリミットがあり、気長に体力が付くのを待ってはいられない。運動がからっきしな彼女は、自力で走り抜くため、ランニングチームに入り奮闘する••••••これが大まかなあらすじだ。
 この小説の見どころは、チームメンバーとの人間関係と走りの描写だと思う。例えば、自身の不幸に執着し、心を閉ざしている環は人間関係が上手くない。そこに同じく不幸に囚われているパートのおばさんが現れ、激しく不幸自慢で言い争ったり、チーム1の変人が実は天才ランナーであった過去に迫ったりする。チグハグで、決して仲良くするという感じではないのに、互いの過去を知ることで着実に関係を築いていく、濃密な人間模様がうかがえる。
 走りの描写では、苦しさだけでなく、移ろう景色やチームメイトとの競り合い、目標地点到達の達成感を臨場感ある表現で感じ取ることができる。運動が苦手な主人公の視点から書かれていることで、共感できるところも多く、走りに興味がなくても楽しめる内容になっている。
 あの世を目指し走る彼女が、走ることで成長し、生きることに前向きになっていく。地に足をつけ走り出す彼女の、疾走感あふれる物語を是非、体感してほしい。  (851)
あかべこさん (8hjyqclq)2022/11/4 14:56削除
文章構成が好きで内容も面白そうだったため『ラン』読みたくなった。最初に問いかけにするのはとても良いと思うが文体が他と異なるため違和感を感じた。1行目を「何のために走るのか」目的は人それぞれだが、もし亡くなった人に会えるのなら40kmを走るだろうか。のようにしたらいいのかなと思った。
銀燭さん (8hjytxx7)2022/11/4 15:14削除
私も体力がなく運動がカラキシなので、主人公の彼女にとても共感しました。願いのために頑張る姿は美しいものだと思っているので、ぜひ読んでみたいと思います。問いかけの効果はありますが、文体は統一したほうがいいと思いました。
椎名遥さん (8hjyfbyy)2022/11/4 15:29削除
ただ走るだけの物語ではなく、そこに人間関係などの要素が足され見どころのある作品だと感じた。
文体が揺れているため、統一した方が良いと思う。
トトさん (8hlf0395)2022/11/4 15:36削除
大まかなあらすじがとてもわかりやすくて読んでみたいと思いました。私も運動は得意ではないし、昔のことをいつまでも引きずってしまうので主人公に少し似ている気がしてとても共感できました。ファンタジーと現実が混ざっているように見えておもしろそうだと思いました!
限界突破さん (8hmqoosw)2022/11/4 23:45削除
あらすじだけもで面白そうな雰囲気が伝わってきました。それぞれの登場人物の過去や人間関係の模様が面白そうだなと思ったので、読んで見たいなと思いました。
そこら辺の草さん (8htak834)2022/11/11 06:11削除
懐かしい!何年も前に読んで読書感想文を書いた記憶が蘇ってきました。あの世を目指すというファンタジー要素だけでなく、あの世に行く体力作りにランニングチームに入ろう!と考えられる現実主義主人公のぶっ飛んだ思考回路にもう一度笑ってしまいました。
なすさん (8ixpe9va)2022/11/11 11:41削除
あの世を目指すために走るというのが面白そうに感じた。モナミー号とは何なのかやファンタジーの中の人間関係や走っているときの描写なども気になった。是非読んでみたいと思う。
返信
大竹文音さん (8i3w8l31)2022/11/3 08:16 (No.594728)削除
「誰にでもあるあの頃を思い出す」  豊島ミホ、『檸檬の頃』、幻冬舎文庫、2005

 私が紹介する本は『檸檬の頃』という本だ。学生時代は、どうしてあんなにも辛く甘酸っぱいのだろうか。この本を読むと淡く心の中に響くものがある。わたしたちのあの頃は、あの世界がすべてだったのではないだろうか。普通を描いた特別な空間がこの小説の中に詰まっている。
 この本は、とある地方の高校での、生徒それぞれが主人公のお話が短編形式で綴られている。保健室登校になった友人の話。司法試験に落ち続けた男性の高校近くの実家の雑貨屋でのやりとり。一緒に高校受験の勉強をして同じ高校に進学したのにすれ違ってしまった二人。好きになった同級生には年下の彼女がいた話。そして担任の先生の話。恋人を置いて上京する彼女の揺れ動く心境。これといって華やかな青春でもなく、かといって非現実的な作られたストーリーでもない。しかしそれほどまでに普通の日常こそが、今となって読者に染み込んでくるのだ。
 誰にしろかけがいのない瞬間はあると思う。その瞬間を言葉にするのは難しいだろう。しかし匂いや光の描写、主観的な書き出し一つ一つが瞬間を思わせる。まさに豊島ミホは普通を特別にする天才なのだ。また私ごとではあるが、絵を描くうえで日常をモチーフにしたものが多い。それは例えば、ただのキッチンが朝日に照らされてものすごく綺麗に見えたあの瞬間であったりだ。瞬間をモチーフにすることはとても難しい。しかし日常の中の特別を少しづつ見つけていけたらそれは幸せな生き方なのではないだろうか。
 また、短編集ではあるがどの話も登場人物に多少の繋がりがあるが関係のない話が多い。わたしたちの人間関係もそんなものだろう。だからこそ生々しく、鮮明にあの頃を思い出すことができるのだと思う。ありふれた話だからこそこの作品の共感性、登場人物の感情が近くに感じ、自分にもある檸檬の頃を、ぜひ感じてみてほしい。
 (780字)
栃山野乃花さん (8hlpmoie)2022/11/4 14:47削除
短編集の紹介は難しそうだと思っていましたが、一つ一つの内容を簡潔に示した上でその関係や一貫したテーマが書いてあることで一冊の本としてどんなものなのかが分かり易かったです。今度読んでみようと思います。
カヌレさん (8hk1tkzn)2022/11/4 15:37削除
珍しいタイプの短編集で興味を惹かれました。本書で書かれているような、誰かのありふれた日常は私にとっては普通の日常ではないからこそ、作中のさまざまな登場人物の感性や生活に触れてみたいと思いました。
トトさん (8hlf0395)2022/11/4 15:45削除
小説の儚げな世界観と柔らかい紹介の文章がとても合っていて引き込まれてしまいました!私も太陽、月、なんでもない照明などの光、そしてそれらに照らされたものたちが大好きです。当たり前にある光は身の回りのものを照らし、ときには別物のように見せてくれると思います。この小説も当たり前の日常と少し特別な非日常をつないでいるような感じがして私もその世界に入ってみたいと思いました。
あかべこさん (8hjyqclq)2022/11/4 16:35削除
「わたしたちのあの頃は、あの世界がすべてだったのではないだろうか。」というフレーズがとても印象に残った。これまでに体験してきた人が多い「普通」というものを題材にしている所が良いのだと思った。「普通の日常こそが、今となって読者に染み込んでくるのだ。」といったフレーズに共感しながら読む事ができるため、心に刺さり易い文章なのだと感じた。
限界突破さん (8hmqoosw)2022/11/4 23:36削除
本文を読んでいてとても温かい雰囲気を感じた。生徒がそれぞれ主人公の短編集というのも面白そうだと思った。高校時代のあの青春な感じを、この小説で味わってみたいと思った。
主食かぼちゃさん (8iiizdpv)2022/11/5 01:36削除
フィクションだけどノンフィクションみたいな短編集なんですね。こういったテーマの作品は読んだ事がないので気になりました。自分も似たような経験があるからこそ、より物語に没頭できそうだと感じました。
ノスケさん (8hpetckf)2022/11/10 12:25削除
切り取る場面や言葉選びが素敵な作家なのですね。普通の中に特別を見出すというのが素敵だと思いました。
ムロさん (8ho1qpjs)2022/11/11 00:43削除
普通を特別にする天才なのだという言葉が良いなと思いました。また自身がこの本に惹かれている理由、自身と著者との共通点のようなところをあげているのも良いと思いました。
そこら辺の草さん (8htak834)2022/11/11 06:35削除
学生時代を甘酸っぱい、檸檬のようといった表現がとても素敵だと思った!普通を描いた特別な空間、いい言葉ですね。優しい文章構成で、あんまり好きじゃなかった中学高校時代が、なんだか少しだけ恋しくなってきた気がします。
なすさん (8ixpe9va)2022/11/11 11:31削除
普通の日常をどうやって特別にしていのるかとても気になりました。大竹さん自身のこの本や著者に対する思いや考えなども述べられていてとても良いなと思いました。
返信
藤原ゆうみさん (8hmqoosw)2022/11/4 00:42 (No.595556)削除
ジブリ作品をより楽しもう 小川 仁志 『ジブリアニメで哲学する 世界の見方が変わるヒント』 (PHP文庫、2021年)

 「となりのトトロ」や「千と千尋の神隠し」などのジブリ作品を、一度は観たことがある人は多いだろう。
ジブリ作品を観た時に、「あれは結局なんだったの?」や「これはなんの意味があったんだろう」などの感想を持ったことはないだろうか。
今回紹介する『ジブリアニメで哲学する』という本は、そんな疑問について考え、ジブリ作品をより一層楽しむことができる一冊だ。
 この本では、「風の谷のナウシカ」から「風立ちぬ」まで、宮崎駿監督が脚本と監督を務めた長編アニメ10作品を取り上げて、それぞれの作品の主要なモチーフである「風」「森」「海」「魔法」などについて哲学している。
それぞれの作品に込められたメッセージについて、著者の考えをもとに、自分なりの答えを見つけることができる。
 哲学というと、なんだか堅苦しい印象を受けるが、この本は、それぞれのモチーフごとに、考える上でのヒントが書かれているため、気軽に読むことができる。
例えば「となりのトトロ」では、主人公のサツキとメイだけがトトロに会うことができるが、トトロに会えるのはどんな人なのか、というヒントをもとに、「森」とは何かを考える。
「千と千尋の神隠し」では、主人公の千尋が神隠しにあったのはなぜか、というヒントをもとに、「神」とは何かを考える。
 それぞれの作品ごとに五つのモチーフについて哲学しており、ヒントと著者の考えが簡潔にまとめられている。
作品のあらすじも簡単に書かれているため、まだ観たことがない作品があっても気兼ねなく読むことができる。
内容はもちろん、手軽に哲学に触れることができるのがこの本のいいところだ。
 ジブリ作品はとても内容が深く、一回観ただけではわからない部分が多い。
わからない部分はそのままにして楽しむのもいいが、なぜ?という疑問を持ち、自分なりに答えを探してみるのも、自分の世界が広がるようで面白いと私は思う。
ジブリ作品が好きな人はもちろん、あまり知らない人も、ぜひ一度読んで見てほしい一冊だ。
(819字)
さん (8hn4n92a)2022/11/4 14:29削除
ジブリは好きですが哲学という難しそうな単語を見た瞬間苦手意識が湧きました。ですがすぐ見ている側の気持ちを考慮してフォローされていたので気持ちが楽になりました!ジブリはトトロのお父さんの笑い方がお気に入りです。
カヌレさん (8hk1tkzn)2022/11/4 14:44削除
一見、ジブリと哲学は無縁なような気もしますが、紹介を読んで哲学的視点から見てみることにすごく興味が湧きました。本書で何をモチーフに考えを広げていくのかが端的に説明されていて、内容が飲み込みやすく、読んでいて知的好奇心が刺激されました。近いうちに読んでみたいと思います。
キアイ、デ、、サチオさん (8hnjjwr9)2022/11/4 14:54削除
ジブリは好きだし、今よりもっと楽しみたいと思ったのですごく興味がわきました。こまめに段落を変えているおかげで目が迷わずに読みやすかったです。
蒼穹の竜さん (8hk0l1ap)2022/11/4 16:06削除
本の概要だけでなく例を挙げているため、より本のイメージがしやすかったです。文章も読みやすく、抵抗感を持たずに読む事ができました。ジブリを見た後にはいつも「これ何の話だったんだろう...」と思う話も多いので是非読んでみたいです。
メタキンさん (8hn35llv)2022/11/4 16:22削除
ジブリの宮崎駿監督は、作品の一つ一つに細かい裏設定を決めていることは知っていましたが、哲学的視点でみるなんて考えもしなかったので、どんな本なのか興味がわきました。
トトさん (8hlf0395)2022/11/4 22:49削除
ジブリの世界の中には答えのない不思議な世界が広がっていて、それを哲学で紐解いていくという発想が面白そうだと思えました。この本を読んでまた新たな考え方を知るのも、自分らしい解釈を改めて見つけるのも素敵だと思えました。自分の世界、広げてみたいです!
Y
YOFFYさん (8i3w1ebh)2022/11/4 22:54削除
あまり堅苦しくならずに哲学を知ることができると文章から読み取れました。1度見てわからないところを理解する楽しみについても触れていてこの本の魅力を十二分に引き出す良い文だと感じた。
リョウ・ヒョウヒョウ・ビンビンさん (8htw7uxs)2022/11/5 00:52削除
ジブリ作品というファンタジー×哲学という組み合わせが意外で興味がそそられました。読み手側に対する問いかけや、藤原さんなりのジブリ作品の楽しみ方が書かれていてほぉなるほど〜となり、実際にジブリ作品とこの本を読んで、自分で疑問を抱き解決してみたいと思いました。映画を何回も見直して分からなかったことを段々と紐解いていくのってとても楽しいですよね。是非この本を読んでみたいと思いました。
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sososoさん (8hlne9f4)2022/11/6 21:10削除
ジブリアニメと哲学を合わせるという想像もしてなかった組み合わせに魅力を感じました。
ノスケさん (8hpetckf)2022/11/10 10:15削除
文章が簡潔にまとめられていてとても読みやすかったです。ジブリ作品を見返したくなると同時に、哲学を学ぶきっかけにもなりそうな本ですね。
ムロさん (8ho1qpjs)2022/11/11 00:57削除
ジブリという誰もが知っていて多くの人が興味を持つような単語を頭の文に持ってきていることで、目を引く書評だと思いました。また一文一文が簡潔に短く書かれている印象を受けました。
そこら辺の草さん (8htak834)2022/11/11 05:47削除
ジブリの世界観はジブリにしかないもので溢れているので、一度見たことある作品を次は哲学的な視点で見てみるのも面白そうだなと思いました。
返信
髙橋春樹さん (8hjyfbyy)2022/11/1 00:39 (No.592368)削除
「知見を広げ、将来を考える」 成田祐輔,『22世紀の民主主義』,SBクリエイティブ新書,2022 年
 
 私が紹介する本は『22世紀の民主主義』という本だ。この本は政治についての本ではあるが特段難しい本ではないように感じる。特に著者が、その分野においては素人であり、読者である私たちと近い視点で書かれている。また、この本はそこまでのページ数もなく、あまりこういった本を読まない人でも、読みやすいだろう。
 まず、この本は一番初めに全体の要約が書かれている。それから、各項目について詳細に述べていくといった形になっている。本全体の要約が書かれている、つまり、著者の結論はほとんど最初に述べられている。そのため、話の順序もわかりやすく、読者は最初に全体の内容を把握することができ、理解しやすいように書かれているということだ。
 本を読み始め、すぐに目に留まる文は『若者が選挙に行って「政治参加」したくらいでは何も変わらない。』(p5より引用)だろう。よく、ネット上やテレビでも言われている、「選挙に行こう」の文言が覆されるような文だが、こう思っている人も少なくは無いだろう。著者自身が謳っている「言っちゃいけないことはたいてい正しい」を体現したかのような文である。また、このように文で印象をつけ、その次に具体的な数値などを使い論理的に説明する、といった形が多く取られている。そのため、興味を惹き、先を読ませるといった構図が完成しているように思えるものだ。
 私個人としては、実際にあった例から、「民主主義からの逃走」を書いた部分が印象に残った。本文中の言葉では『独立国家のレシピ2』(p143)と書かれている。そこでは、『マイノリティとマジョリティは局所的に逆転できる。』(p144)と述べられた。私たちが生活をしていて、そういった場面に遭遇することはあるだろう。全体では少数派だが、一部では多数派である状況を作り出す、といったことを大規模でやれば良いということだ。
 このように自分ではなかなか見たり、聞いたりする機会がないような話が多く語られている。ぜひ新たな知識を求め、読んでみてはいかがだろうか。(848字)
髙橋春樹さん (8hjyfbyy)2022/11/4 14:24削除
成田祐輔『22世紀の民主主義』(SBクリエイティブ新書 2022 年)
蒼穹の竜さん (8hk0l1ap)2022/11/4 16:18削除
政治の本は難しいと思っていましたが全体の要約がされたものがあることで、政治の本に苦手意識を持っている人でも読みやすそうだと感じました。
トトさん (8hlf0395)2022/11/4 17:13削除
今デザイン系を学んでいて先生に「デザインをやっていく上で経済の勉強は大切だ」と教わりました。ですがなんとなく難しそうと思いずっと遠ざけていました。同じように政治についても苦手意識を持っていいたのですが、読みやすそうな本だったのでこれを機に政治についても勉強してみようと思えました。
限界突破さん (8hmqoosw)2022/11/4 23:29削除
自分達と近い視点で書かれているのは手に取りやすそうでいいなと思いました。政治の話はとっつきにくそうなイメージがありますが、結論が簡潔に述べられているのは、政治に親しみのない私でも読みやすそうだなと思いました。
主食かぼちゃさん (8iiizdpv)2022/11/5 01:47削除
引用部分のページ数を記載していたり、ただ引用して終わりじゃなくてそれに対する解説を入れていたり、とても丁寧な書評だなと感じました。意外とすらっと読めそうな本ですね。政治系の本は全部難しそうで避けていたのですが、この本なら読めそうです!
ノスケさん (8hpetckf)2022/11/10 12:32削除
自分たちと視点が近いのが嬉しいポイントですね。本の構成から見ても読みやすく理解しやすいとのことなので、政治の入門に良さそうです。
ムロさん (8ho1qpjs)2022/11/11 00:39削除
政治に関する本は難しそうだと思いましたが、実は読みやすいんだよということを伝えてくれていたり、本をあまり読まない人にもページ数が少ないことや形式を説明してくれていることで読むことへのハードルを下げてくれてとっつきやすくなるような書評であると思った。
返信
小倉香さん (8hn4n92a)2022/11/4 09:49 (No.595824)削除
これだからやめられないってばよ ―てつや『天才の根源』(株式会社KADOKAWA 2020年)

“人に優しく、自分にもっと優しく”

私が紹介する本は『天才の根源』という本だ。この本は人気グループYouTuberの「東海オンエア」リーダーのてつやが書いたエッセイだ。おそらくこの本は東海オンエアを知っている人でないと興味を惹かれないだろう。だがこの本ではYouTuberという少し世間からズレた職業についているからこそ普通でいてはできない経験をしてきた「てつや」という人間の人生観を見ることができる。自分とは違った目線から世界を見ている人間の考え方はなかなか面白いため、誰でも楽しみながら読めるだろう。もちろん知っている人は読みながら鼻で笑うくらい楽しめる、いい意味で。
 この本の中で私自身がいい考え方だと思ったものはたくさんあるがその中の一つで、「怒らない理由」を紹介したい。てつやという人物は全くと言っていいほど怒ることがない。そんな人間世の中を見ても珍しい方に入るだろう。まして世の中には怒ることで愉悦を感じる人もいる。割とそんな人を多く見てきた私にとって怒らない理由とは非常に興味深いものだった。そのてつやが怒らない理由とは、イライラしている自分の時間が勿体無いからだそうだ。

「怒るということは理解してほしいことがあるから。だからそういう時は怒るのではなく話すべきだ。〈怒り〉に任せた会話には雑音が混じる」

はぁ〜…と思った。当たり前な事を言っているだけかもしれない。だが、怒りというものは理性を奪ってしまうため今までそんな当たり前の事に気づけなかった。雑音という表現もわかりやすく適切な例えで言葉がスッと入ってくる。
 このようにこの本でてつやは名言量産機と化しているのだが面白いのはそれだけではない。ファンにとっては涎が出るほど嬉しいメンバーとの過去など動画内で知ることのできない東海オンエアを知ることができる。おすすめはてつやの元カノ数名による「てつやレビュー★」だ。その中に動画でよく聞く劉備玄徳もいるので好きな人は見てみてほしい。
 初めに誰でも楽しめると言ったが興味を持った人はぜひ東海オンエアをある程度知ってからこの本を読んでほしい。そうすれば100万倍この本を楽しめるだろうから。
(880字)
キアイ、デ、、サチオさん (8hnjjwr9)2022/11/4 14:40削除
ただ本の紹介文を並べるのではなく、言葉から始まったり、途中で本文から一文引用するなどの工夫のおかげで飽きずに読み進めることができた。
椎名遥さん (8hjyfbyy)2022/11/4 15:10削除
「東海オンエア」は知っているがこの本は読んだことが無かった。怒りに関してわかりやすくまとめられていると思う。他の項目も気になるような文章だと感じた。
低い城の男さん (8io52kyh)2022/11/4 19:03削除
書評の最初に本人の名言を持ってきたり、ただ内容を書き並べるだけではなく紹介者さんが読んだ際に感じたであろう感情の表現とかがあってとてもこの本にあった親近感が湧くような文章でとても良いと思いました。
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YOFFYさん (8i3w1ebh)2022/11/4 22:23削除
様々なトピックの中から怒りを選んでいて、ユーチューバーらしくない内容に興味がわきました。
あかべこさん (8hjyqclq)2022/11/4 22:45削除
言葉から始まる所が良いと思った。また、「怒るということは理解してほしいことがあるから。だからそういう時は怒るのではなく話すべきだ。〈怒り〉に任せた会話には雑音が混じる」という言葉にとても共感した。共感が持てる言葉を入れる事で印象に残るとともに興味を持たせる事もできるのだと感じた。
リョウ・ヒョウヒョウ・ビンビンさん (8htw7uxs)2022/11/5 00:50削除
東海は大好きですが、てつやの本は読んでいなかったのでレビューを書いてくれている人がいてびっくりしました。てつやの名言を引用するだけでなく、それに対して自分がどう思ったのかもはっきり書かれていて、とても上手な書評だと思いました。これだから〜ってばよや、劉備玄徳などの東海ワードが入っているのも面白く、読んでみたくなりました。
ムロツヨシさん (8ho1qpjs)2022/11/11 00:15削除
東海オンエアが好きなので読んでみたいなと思いました。引用文の前後に行間を開けていて寄り目を引く作りになっているところが良いなと思いました。
返信
鴫原朋花さん (8hlf0395)2022/11/3 10:02 (No.594795)削除
世界の新しい教養−−ハンス・ロスリング『FACTFULNESS』10の思い込みを乗り越え、データを、基に世界を正しく見る習慣(日経BP、2019)

 思い込みは人々の考えを間違った方向へと導く。本書にある分断本能、恐怖本能、過大視本能、宿命本能、焦り本能など十の本能を知れば、世界の見方、考え方が大きく変わるだろう。自分の思い込みや本能によって世界を勘違いして見てしまっていたことに気づき、それを正していこうと思える。今回はその中から二つの本能を紹介しよう。
 まず過大視本能だ。中国やアメリカはCO2排出量を増やしている。これらの国がCO2の排出が問題だ。__それは本当か。これは中国人勢員の体重合計がアメリカ人の体重の合計より大きいから中国の方が肥満の問題が深刻だといっているようなものだ。冷静になってその数値はどの数値と比べ、計算するべきか考えてみたい。そしてこの場合、合計でなく一人当たりのCO2排出量について考えるべきだ。いかに数値を過大視し、重要だと思い込んでいたか気付けるだろう。
 次に焦り本能だ。これは今決めろとせかされると、批判的に考える力が失われ、拙速に判断、行動してしまう本能だ。私も今やるしかない、と言われてしまえばその真意を考えず慌てて行動に移してしまうことがある。しかしこれは私たちの理解を妨げる恐れがある。焦りがプレッシャーになり、他の本能も押さえが効かなくなる。正しい分析が出来ず、考え抜く前に過激な手をうってしまう。
 この本の冒頭には世界で最も多くの人が住んでいるのは低、中、高所得国のどこかなど13の問いがありその多くの正答率が一桁から20数%だ。この問いで多くを間違えた自分や世界の人々は世界を古い知識のまま見て、誤解していたのだ。
 この本を読めばニュースを批判的に、データはほかの数値と比べて、古い知識を更新し続けたいと思うようになるだろう。様々な人の意見を受け入れ、客観的に見て素直に知らないことは知らないから教えてほしい、ヒントをほしい、言えるようになりたい。謙虚さ、子どものような好奇心を持ち新しいことを吸収して、広い視野で先を見据えて行動したいと思える。世界の教養としてぜひ読んでみてほしい。(832字)
鴫原朋花さん (8hlf0395)2022/11/4 14:25削除
世界の新しい教養−−ハンス・ロスリング[上杉周作、関美和]『FACTFULNESS』(日経BP、2019)
トリさん (8hlpmoie)2022/11/4 15:02削除
自分が当たり前に信じていた常識が覆されるような内容に興味を持ちました。読んだ人にインパクトを与える部分を書いてあるので良い紹介文だと思いました。
あかべこさん (8hjyqclq)2022/11/4 16:02削除
私は思い込みが激しいと言われた事が何回かあるので文頭に「思い込み」という単語があり自分の事のように文章を読めた。私は中国やアメリカがCO2の排出量が多い事に批判的な考えを持っていた。この文章を読んで数値を過大視していた事に気が付いた。このような例を挙げる事で他にも思い込みで判断してしまっている事があるのではないかと興味を惹く事ができると思うので、問題提起する書き方はとても良いものだと感じた。
蒼穹の竜さん (8hk0l1ap)2022/11/4 16:34削除
とても読んでみたいと思いました。最後の本を読んだらの文章によって、本の内容の濃さも伝わってきました。読んだ後の自分にもワクワクします。
低い城の男さん (8io52kyh)2022/11/4 18:45削除
本文の内容の要約のしかたや、この本を読みたくなるような掴みがとても上手だなと思いました。
限界突破さん (8hmqoosw)2022/11/4 23:50削除
自分も一緒に考えながら読める文章でいいと思いました。「思い込み」について、この本を読むことで、今までの自分の考え方が変わるような気がしました。
主食かぼちゃさん (8iiizdpv)2022/11/5 02:00削除
インパクトのある例に興味を惹かれました。1冊読み切った後にものすごい量の教養が身についていそうですね。
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sososoさん (8hlne9f4)2022/11/6 21:05削除
出だしからから淡々とこの作品に情景が伝わってきて読んで見たいなと思いました。
ノスケさん (8hpetckf)2022/11/10 12:08削除
物事を主観的に見てしまいがちな自分を見つめ直せそうな本だと思いました。
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阿蘓奈央さん (8hpetckf)2022/11/3 11:51 (No.594870)削除
「新謎解きはディナーのあとで」東川篤哉(株式会社 小学館、2021年)

 今の大学1年生が小学生の頃に、北川景子と櫻井翔を主演に実写化されたこの小説を知っているだろうか。
 舞台は東京都国立市。世界的企業“宝生グループ”の令嬢であり刑事の宝生麗子を中心に物語は進んでいく。今作は既存のキャラクターに加え、国立署に戻ってきた風祭警部と新人・若宮愛里を新メンバーに迎え難事件に挑む。
 では、私の考える人気作になった理由や見どころをいくつか挙げようと思う。
 1番は気軽に本格ミステリーが楽しめる点だ。事件のテーマは王道だが、他のミステリー小説との違いは“読みやすさ”にある。決して優秀とは言えないキャラクターが推理することで、場面を丁寧に振り返ってくれるため分かりやすい。部屋の間取りや犯行時間などの読者が混乱しやすい要素を、麗子と影山が実演するのがポイントである。また、連作短編集となっており、自由な読み方ができるのも嬉しい。
 キャラクターも魅力的で、個性が爆発しているとはまさにこのこと。白いスーツを着こなし銀色のジャガーで現場に駆けつける警部や、率直な言動で度々現場を凍らせる天然系新人刑事など、バラエティに富んだキャラクター設定がある。特に麗子はお嬢様と刑事・主人と部下という2つの顔を持っている。主人公であるものの相対的な立場を持っているのが面白い。
 そして何といっても本作の特徴は掛け合いとテンポ感にある。私が楽しみにしているのが影山の毒舌ゼリフ。本編から一部抜粋すると、「寝言は寝ていらっしゃるときに、おっしゃっていただけますか?」「これでは、せっかくの手掛かりも《猫に小判》。いや、むしろ《お嬢様の耳に念仏》といったところでございますね!」。どれも執事が主人にかける言葉とは思えないくらいのキツさである。これに対する麗子のツッコミも見逃せない。
 本作は《麗子が推理を披露し、影山が麗子を馬鹿にし、影山が事件を解決する》という軸が変わらないため、どこか相棒や水戸黄門と似た流れを感じるかもしれない。しかし、先程紹介した見どころの作用でマンネリ感が一切無い。毎回新鮮な気持ちで読むことができるのだ。
 クスッと笑えるミステリー小説をあなたに。(878字)
阿蘓奈央さん (8hpetckf)2022/11/4 14:33削除
事件の謎を解くカギは執事!?ーー東川篤哉『新謎解きはディナーのあとで』(株式会社 小学館、2021年)
さん (8hn4n92a)2022/11/4 14:38削除
ポイントごとに区切ってあるのが読みやすくて助かりました!名前は聞いたことはありましたがそんな豪華な設定のお話だったのですね。毒舌キャラ好きなので今度見てみようと思います。
さん (8i3wm1q9)2022/11/4 14:43削除
小学生の頃ドラマ見ていました。風祭警部の動きやセリフ回しが好きでよくまねていました。小説では読んだことがないのですが、小説でもあの会話のテンポ感が健在ならばぜひ読んでみたいと思いました。
キアイ、デ、、サチオさん (8hnjjwr9)2022/11/4 14:44削除
文章の中に、物語のキャラクターの台詞が書かれていることによって、見どころとかキャラクターの性格とかがつかみやすくて読んでて面白かったです。あとめちゃくちゃ懐かしい気持ちになりました。
銀燭さん (8hjytxx7)2022/11/4 15:00削除
セリフや個性の爆発など、魅力ポイントや話の内容がわかりやすく書かれていて、これを機に小説も読んでみようと思いました。ミステリーものにあるテンプレのようなものの飽き感についても言及されていて、惹き込まれる紹介文だと感じました。
メタキンさん (8hn35llv)2022/11/4 15:33削除
私は小さいころに、ドラマ版を見たのですがその時とても流行ったのを覚えています。キャラクターが脇役までしっかりと濃くて事件が起こっても決して暗くなりすぎない本だということがとても伝わりやすかったです。
蒼穹の竜さん (8hk0l1ap)2022/11/4 15:56削除
ドラマを見た事があり、面白かったことをよく覚えています。設定も面白いですよね。紹介文でキャラクターたちの個性を紹介している事がよかったです。当時のドラマを思い出しました。
低い城の男さん (8io52kyh)2022/11/4 18:51削除
作品の魅力が端的に表されているし、最後にキャッチコピー的な言葉も興味を惹きつける要素としては素晴らしいと思いました。
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YOFFYさん (8i3w1ebh)2022/11/4 23:00削除
かなり読みやすいミステリー初心者にお勧めの本というのが伝わるいい文章だった。
リョウ・ヒョウヒョウ・ビンビンさん (8htw7uxs)2022/11/5 00:52削除
昔ドラマ見てたなぁ〜と懐かしい気持ちになりました。影山の毒舌台詞を読んでそうそうこれこれ!と懐かしい記憶が蘇ってきたのと同時に、また見てみたいと感じました。言葉選びも軽快で、小説のコミカルな雰囲気が伝わってきて、ミステリーの堅い感じが程よくカバーされているなと感じました。
主食かぼちゃさん (8iiizdpv)2022/11/5 01:53削除
本の魅力を簡潔にかつコミカルに伝えているのが素晴らしいと思います。テレビの前で熱中していた頃からそんなに月日が立っていたとは。。。
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sososoさん (8hlne9f4)2022/11/6 21:06削除
出だしに問いかけを用いることでこの紹介文に引き込まれ、読んで見たいなと思いました。
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