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髙橋春樹さん (8hjyfbyy)2022/11/1 00:39 (No.592368)削除「知見を広げ、将来を考える」 成田祐輔,『22世紀の民主主義』,SBクリエイティブ新書,2022 年
私が紹介する本は『22世紀の民主主義』という本だ。この本は政治についての本ではあるが特段難しい本ではないように感じる。特に著者が、その分野においては素人であり、読者である私たちと近い視点で書かれている。また、この本はそこまでのページ数もなく、あまりこういった本を読まない人でも、読みやすいだろう。
まず、この本は一番初めに全体の要約が書かれている。それから、各項目について詳細に述べていくといった形になっている。本全体の要約が書かれている、つまり、著者の結論はほとんど最初に述べられている。そのため、話の順序もわかりやすく、読者は最初に全体の内容を把握することができ、理解しやすいように書かれているということだ。
本を読み始め、すぐに目に留まる文は『若者が選挙に行って「政治参加」したくらいでは何も変わらない。』(p5より引用)だろう。よく、ネット上やテレビでも言われている、「選挙に行こう」の文言が覆されるような文だが、こう思っている人も少なくは無いだろう。著者自身が謳っている「言っちゃいけないことはたいてい正しい」を体現したかのような文である。また、このように文で印象をつけ、その次に具体的な数値などを使い論理的に説明する、といった形が多く取られている。そのため、興味を惹き、先を読ませるといった構図が完成しているように思えるものだ。
私個人としては、実際にあった例から、「民主主義からの逃走」を書いた部分が印象に残った。本文中の言葉では『独立国家のレシピ2』(p143)と書かれている。そこでは、『マイノリティとマジョリティは局所的に逆転できる。』(p144)と述べられた。私たちが生活をしていて、そういった場面に遭遇することはあるだろう。全体では少数派だが、一部では多数派である状況を作り出す、といったことを大規模でやれば良いということだ。
このように自分ではなかなか見たり、聞いたりする機会がないような話が多く語られている。ぜひ新たな知識を求め、読んでみてはいかがだろうか。(848字)