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沼田りんさん (8ho1qpjs)2022/11/4 14:28 (No.596180)削除
幸福を体系的に分析するーー前野隆司『幸せのメカニズム』(株式会社講談社 2013)

 どんなにGDPが増えても幸福度は変わらない、一体どうすれば人の幸福度は上がるのか。元々はロボットや脳の研究者であり、笑ったり喜んだりするロボットの心のアルゴリズムを作ることで人間の感情を理解しようと試みてきた。しかしむなしい。笑っている様に見えても実際は嘘であり偽物である。ロボット研究とは人間の偽物づくりである。それがきっかけで、本物の幸福の研究を始めた。
 基礎学問の成果を人々の生活に役に立つ形で応用する分野である工学。哲学や心理学における幸福研究の成果。どちらか一方では直接人々の役には立たないが幸福学という形で、幸福を体系的に理解し、人々の幸福度の向上に役立てることをめざす。
 
 この本は幸福についてさまざまな切り口から論理的に研究し分析をしている。その一つの例として「おつかれさま」という挨拶の話をあげよう。まずお疲れ様という言葉を挨拶と言ってしまうことには気がひけるが、日本では職場、目上の人、特に大人同士で挨拶として「お疲れ様」という言葉を使うことはかなり多いと感じる。しかし、この本では「お疲れ様という言葉は、私たちは疲れているというメッセージを互いの脳に刷り込もうという企みである」という文を読みハッとさせられた。1日の始まりに無意識に水をさしてしまうような言葉を日本全体で日常的に、疑問も持たず使ってしまっていることに恐怖すらも感じた。言霊という言葉もあるように、日本の幸福度が低いことはこのことも要因としてあるように感じた。

 著者は幸福を四つの因子に分けた、「やってみよう」因子、「ありがとう」因子、「あなたらしく」因子、「なんとかなる」因子である。それぞれの因子の中にも多数の要素があり、四つ派のクローバーのように全ての因子があって幸福につながる。この本は前提として、「幸福になるための本」ではなく「幸福について知る本」であると思う。幸福とは抽象的なものであり心理学、哲学とどちらかといえば文系的なものだと思っていたが。この本を読み理系的に幸福を研究し分析することで具体的であり、幸福は向こうから訪れるものではなく、こちらから引き起こすことができるものの様に思えた。(896字)
さん (8hn4n92a)2022/11/4 14:34削除
具体例と示してくれているのでとても理解しやすい文章でした。お疲れ様ですと今まで何の違和感もなく礼儀の一つとして当たり前に使っていましたが、確かに朝一に「お疲れ様」は改めて考えると違和感バリバリですね。
銀燭さん (8hjytxx7)2022/11/4 14:51削除
GDPや哲学という文字が見えて苦手意識がのぞいてきましたが、幸福について因子に分けて説明されていたり、日常的に使われている「お疲れ様」について書かれていて、分かりやすいと思いました。幸せや幸運のクローバーというように、幸福が関連されている表現が好ましいと感じました。
栃山野乃花さん (8hlpmoie)2022/11/4 14:53削除
「ロボットは人間の偽物づくり」、「お疲れ様という言葉は、私たちは疲れているというメッセージをお互いの互いの脳に刷り込もうという企みである」。といった印象的なフレーズが散りばめられているので興味を引く紹介文だと感じました。
カヌレさん (8hk1tkzn)2022/11/4 14:59削除
前提を示して、具体例を出すという文体で、わかりやすくまとめられていると思います。言葉選びに無駄がなく、具体例は厚みを持って紹介されていて、説得力のある文章だと感じました。
椎名遥さん (8hjyfbyy)2022/11/4 15:07削除
本の全体の内容が気になるようなフレーズを抜き出していたり、自分の考えを述べていて文章が上手だと感じた。人間の偽物という表現が個人的には好きだった。
さん (8i3wm1q9)2022/11/4 15:20削除
難しい本だ、ときっと投げ出してしまいそうですが本の内容の抜き方がうまくてすごく引き込まれました。日本の幸福度の低さの話は講義などでもたまに聞いてやだなと思っていました。幸福について知って効率的に幸せを摂取したいです。
あかべこさん (8hjyqclq)2022/11/4 16:11削除
幸福に対してあまり考えていなかったが、考えるきっかけを作ってくれた文章だった。とても印象的なフレーズが散りばめられている所や、普段からよく使う言葉である「お疲れ様」という言葉を例に挙げている点が興味を引くポイントなのだと感じた。
そこら辺の草さん (8htak834)2022/11/11 06:32削除
「お疲れ様」はほとんど口癖のようになっているので、この表現を読んで目が覚めたような気持ちになった。労いの意味で使っていたが、今後はこれ以外の言葉を使っていこうと思った。
なすさん (8ixpe9va)2022/11/11 11:23削除
幸福を知るという視点から読んでみるのは面白そうだなと思いました。また幸福を四つの因子に分けてはいられるがその中にも小さな様々な要素が関係するのではないかとも考えられそうで興味がわきました。例なども出されていてとてもわかりやすい紹介文でした。
なごさん (8kbt9b2i)2022/12/16 13:10削除
最後は自分の考えで締めくくられていてまとまりがある文章だった。しかし、最初の文章が引用か本のあらすじをまとめたのか分からないが、いまいち後の文章と繋がりにくい切り方のように感じた。あらすじをまとめるならもう少し短くまとめると良いと思う。
返信
佐藤秀吾さん (8k1uyhdq)2022/12/9 13:50 (No.632435)削除
他人事だから面白い――北尾トロ『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』(文春文庫 2006年)

 人の人生を決める争いはどうやら面白いらしい。
 この世には人を裁く方法として「裁判」制度があります。それは皆さんもよくご存知でしょう。「裁判」とは一見、非日常要素に思えますが、意外と私たちの身近にあるものなんです。例えば、関わり方として代表されるのは自分が当事者になった場合です。しかしそんな関わり方はめったにありませんし、たとえ自分の身に起こりうることだとしても想像なんかしたくありません。自分が犯罪者になるかもしれないシチュエーションなど誰が好き好んで想像するのでしょうか。皆さんは想像したことありますか?私は無いです。というか嫌です。最近はドラマでも裁判を物語の一要素として取り入れているものが増えてきたので変な想像などせずとも、ある程度は「裁判」を身近に感じることができます。そういったドラマにも単語が出てくることがありますが、私たちが「裁判」を身近に感じる要素の一つとして「傍聴」というものがあります。実は「傍聴」って裁判所に行けば誰でもできるんです。今回私は、そんな「傍聴」を裁判所で300時間行ってきた男が記す「傑作裁判の傍聴記」についてご紹介します。
 この本の特徴は、完全な他人目線で裁判の内容が語られているところです。裁判という人生の分岐点のような場では、関わっている人のことを考え、多少の感情移入はしてしまうものだと私は考えていました。実際今まで見てきたドラマでは被害者の心情や被告人側の事情などが詳しく描かれ、それを見るたびに同情したり、嫌悪感を抱いたりしていました。なので、自然と裁判を傍聴する側の人間はこういう気持ちになるものと思っていましたが、この作者は完全に娯楽として裁判を傍聴していたのです。当事者たちのことも考えているみたいですが裁判の盛り上がり具合を何よりも楽しんでいました。その視点が新しくて面白かった。被告人の人相や態度で有罪無罪を予想したり、検察官や弁護士の表情を見て心情を代弁したりと色々な面で楽しんでいました。こちら側も軽い気持ちで裁判を読み進められるので結構楽しめます。書店で見つけたら試しに読んでみてください。 (877字)
主食かぼちゃさん (8k1s7udc)2022/12/9 14:34削除
自分の頭の中であらすじ紹介に至るまでの部分が、小さいキャラクターがコソコソ話しかけてくれているような感覚で再生されました。こういう文章はなかなか出会えなかったし、新鮮で面白かったです。
カヌレさん (8hk1tkzn)2022/12/9 14:44削除
裁判を娯楽として扱う人がいるとは思いもしませんでした。だいぶ気を衒った著者で興味を惹かれましたが、もう少し、本の書式や幾つのどんなことが裁判で取り上げられているのかが紹介されていると、もっと興味を惹かれたと思います。
蒼穹の竜さん (8hk0l1ap)2022/12/9 14:47削除
初めから本の説明をするのではなく、読み手に語りかけるような導入になっておりこれから紹介される本が気になるような文章構成でした。本をわかりやすく説明しているため、読んでみたいと思える紹介文になっています。読んでいる時の感覚も記載されているので、本の雰囲気も掴みやすいです。
さん (8i3wm1q9)2022/12/9 14:54削除
導入がめちゃくちゃうまいと思いました。お話もうまそうですね!
裁判の傍聴には興味がありました。ただなんとなく足を運べなくて、こういう本で楽しめるのもよさそうだなと思いました。
当事者じゃなければ一種のエンターテインメントとして見れる裁判って不思議ですね。そういう神経でいられる人間が一番不思議なのかもしれませんが!
あかべこさん (8hjyqclq)2022/12/9 15:39削除
冒頭の「人の人生を決める争いはどうやら面白いらしい。」という言葉にとても興味を惹かれた。また、「皆さんは想像したことありますか?私は無いです。というか嫌です。」という文章がとても好きで印象に残った。「作者は完全に娯楽として裁判を傍聴していたのです。当事者たちのことも考えているみたいですが裁判の盛り上がり具合を何よりも楽しんでいました。その視点が新しくて面白かった。」という文章でとても読んでみたくなったが、本に書いてある実例などがあるとより良いレビューになるのではないかと感じた。
メタキンさん (8hn35llv)2022/12/9 20:36削除
私は裁判は自分の生活とは程遠いもので、簡単に見るなんて出来ないと思っていました。しかし裁判には傍聴というものがありそれを300時間行った男がいることに驚きました。文の前半で必要なキーワードの説明をしていて読む側がすごく楽に読めると思いました。
さん (8hn4n92a)2022/12/9 22:46削除
程よく書き方が崩れていてとても読みやすかったです。そのおかげで、内容難しそうなのに抵抗なく読むことができました。
椎名遥さん (8hjyfbyy)2022/12/10 00:08削除
話し言葉で書かれており、読者に語り掛けるように本を紹介していると感じた。扱っている内容が「裁判」と少し難しいものであるから、苦手な人でも誘導しやすくなっていると感じる。
リョウ・ヒョウヒョウ・ビンビンさん (8htw7uxs)2022/12/12 23:59削除
「人の不幸は蜜の味」をそのまま表したような作者と作品だなと感じました。是非とも読んでみたいです!!
問いかけや、佐藤さんの率直な感想が語り口調で散りばめられていて、とても読みやすかったです。ユーモアがある文で、内容がすらすら入ってきました。しかし、途中、ですます口調が途切れたところがあり、文のリズムが崩れてしまったように思いました。
ムロさん (8ho1qpjs)2022/12/13 13:28削除
裁判を娯楽として楽しむという感覚はこれまで体験したことがないし、この本の内容の加え裁判を傍聴するということにも興味が湧き傍聴してみたいなと思いました。新書は硬いイメージがありますがこのレビューはフランクで本自体を手に取りやすいと思った。
えだまめさん (8hlpmoie)2022/12/16 11:19削除
文章の調子がコミカルな印象で読んでいて楽しかったです。
本を読む前と後で自分の心情がどう変わったか書いてあって、本への興味がそそられました。
トトさん (8hlf0395)2022/12/16 11:33削除
冒頭に佐藤さんの考えや見方が書かれていてとても共感できました。それから「軽い気持ちで裁判を」という言葉がとても印象的でした。こんなこと言ったらまずいかもしれませんが人ごとだったら裁判を面白く見ることができそうだと思いました!
ノスケさん (8hpetckf)2022/12/16 11:51削除
裁判という重い内容をこんなに明るい文章で書けるのかと驚きました。内容の重複で所々くどい部分があるように思いましたが、良いテンポ感で読み進められました。
なごさん (8kbt9b2i)2022/12/16 13:06削除
「裁判」という重い内容を扱っているにも関わらず、内容も内容を紹介する文章もコミカルに寄せていて裁判の印象を重くせず、軽い気持ちで見て欲しいという思いが伝わった。また、裁判についての小さな知識もこの紹介で身につけることができ興味が持てる。
返信
池田紗希さん (8htw7uxs)2022/12/9 13:52 (No.632438)削除
皆さんは「幽霊」の存在を信じるだろうか?ーー奥野修司『魂でもいいから、そばにいて 3.11後の霊体験を聞く』(新潮文庫、2020年)

本書は東日本大地震の被災地にて、「霊体験」を通して、生き残った人々と彼岸に行った大切な人々との再会を記した短編集である。
死亡届を書いているときに、兄から届いた「ありがとう」のメール。やるせなさに溺れる母に、「ママ、笑って」とおもちゃを動かす三歳の息子。孫の夢に現れ、「ほんとうはなあ、怖かったんだぁ」と本音を零す祖母。
そのどれもが、信じ難く再現性の無い話ばかりである。しかし、当事者にとっては紛れもない事実なのだ。そしてそれは、突如何もかもを失い、地獄を這いずるような思いをしていた彼らにとって、安らぎや希望、喜びを与えてくれる「奇跡」であった。
幽霊と聞くと怖い印象ばかり持ってしまうが、本書に出てくる幽霊はどれもが愛しさに包まれていた。被災地に漂うもういないはずの存在に、証言者たちは涙を流し、「また来てほしい」と虚空へと語りかけるのだ。そして、「あの人がそばにいると思うと、頑張れる」と言って、その後の人生を歩んでいく。著者はそれに対し、彼らにとってあの世とは、お隣さんのような感じで存在しているのだろうと語っていた。
さて、皆さんが気になっているであろう幽霊の正体についてだが、冒頭にてこの作品のきっかけを作った岡部健氏と著者が語っている。なんでも、幽霊というのは、集合的無意識のように、人間の奥深いところに組み込まれたもので、強い恐怖を引き金に現れるもの。人間が予測不可能な大自然の中で生き抜くための能力だったのかもしれないと言うのだ。
また、「人はいつ死ぬと思う…?人に忘れられた時さ…!!」という言葉が、某漫画の名言にもあるが、彼らが不思議な体験をするのは、亡くなったあの人を忘れたくないからであり、同時にそれが、死者の願いであることを知っているからだと著者は記していた。
どんな仕組みで不思議な霊体験が起こったか、なぜそれが起こったのかを本書はこの上なく明確に示している。困難な状況にある証言者たちを未来へと背中を押すためだ。だからこそ、この数々の話が非科学的だと一蹴されることなく、この本のように、共有され、尊重されていくことを願う。(872文字)
蒼穹の竜さん (8hk0l1ap)2022/12/9 14:25削除
本の全体的な雰囲気が伝わってくる優しい文章でした。左側の密度が高く読みにくく感じるため、段落を変えたら文頭は空白にしたほうが読みやすくなると思います。幽霊についても興味深いためぜひ読んでみたいと思いました。
キブサチさん (8k1uyhdq)2022/12/9 14:35削除
霊体験というものに対する考えが自分の中で少し変わりました。前半に実例を組み込むことで霊に関する関心が深まり、後半の解説部分により一層興味を持って読み進めることができました。
あかべこさん (8hjyqclq)2022/12/9 14:36削除
最初に「霊体験」という単語を出していて興味を惹かれた。また、著者の意見である「彼らにとってあの世とは、お隣さんのような感じで存在しているのだろう」といったユーモアのある文章を選んでいる所がとても良いと感じた。また、文章に温かみを感じた。これは、「この数々の話が非科学的だと一蹴されることなく、この本のように、共有され、尊重されていくことを願う。」と締めくくっているからなのではないかと考える。
カヌレさん (8hk1tkzn)2022/12/9 14:36削除
幽霊という存在は危害を加えようとしてくるから怖い。だからできれば遭遇したくない。と思ってしまいますが、紹介文を読むと、生前親しかった人、大切な人が想いを伝えに来てくれるなら幽霊という存在も温かい存在に感じられました。また、自分では体験し得ない内容だからこそ、この本に興味を惹かれました。
さん (8i3wm1q9)2022/12/9 14:47削除
この文章を読むだけで涙が出てきそうでした。さぞ良い本なんだと思います。東日本大震災は切っても切れない出来事なのでこういう視点で書かれた本も読んでみたいと思いました。
何回か心霊現象にあったことがあるので、霊体験の観点からも読んでみたいと思いました。
もくもこさん (8hkfruvx)2022/12/9 14:57削除
霊体験の中でもなかなか信用し難いエピソードが多い、それでも「当事者にとっては事実」という言葉が池田さんの被災者への寄り添う気持ちが感じられとてもいいなと思った。そのほかにも言葉の節々に優しさが表れており惹かれた。
トトさん (8hlf0395)2022/12/16 11:19削除
非科学的だと思っていた幽霊が化学的にわかっているということが衝撃的でした。ですが池田さんのかく柔らかな文章によってそれ以前にとても神聖なもの、神秘的なもののように見えました。某ドクターの言葉、大好きなので出てきて嬉しかったです。死者を想う気持ち私も大切にしたいです。
ノスケさん (8hpetckf)2022/12/16 11:57削除
抜き出す文章の選び方からか、ノンフィクションなのにフィクション作品を読んでいるみたいだった。
返信
早坂澄空さん (8i3wm1q9)2022/12/9 13:52 (No.632440)削除
教師と生徒、男と女etc.――池谷孝司『スクールセクハラ なぜ教師のわいせつ犯罪は繰り返されるのか』(幻冬舎文庫、平成29年)

この本はタイトルの通り学校で起こる教師からのセクハラ被害について書かれている本だ。かなりセンシティブな話であるため私も最初は手に取るのをためらった。しかし、教師がなぜ生徒に対してそういう感情を抱いてしまうのかというところにとても興味が湧いたためこの本を選んだ。
まずこの本の特徴としては被害を受けた生徒側の話だけでなく、セクハラ行為をする先生側の言い分も記されているところにある。生徒側の痛ましい事件の概要を説明するだけではなく、先生がそれを行っていた際にどういう気持ちだったのかどういう思いの元そんなことをしてしまったのかということを記すことにより、先生側の意見も平等に汲み取りこれからのスクールセクハラ被害の減少に努めることがこの本の目的であるからだ。
一つの事件に対する先生と生徒両方の意見を見ることができるから、ふたりのそのことに対する認識の違いなども受け取れることができるところもこの本の特徴であり魅力だろう。生徒は先生(目上の人)に逆らえないから従っていたというのに対し、先生側は相手も自分に気があるからのってきていると思っていたなどなど。このような認識の違いをこの本は実際にお話を聞いて書いているため生の声で見ることができるというのが面白い。
この本は複数件の事件が章ごとに分かれており、“高校生が一人で抱えていた”“小学生に対する行為”など様々なケースが取り上げられている。親も一緒になって戦ったり、ときには教育委員会について書かれていたりなど三者三葉の対処法があって興味深いと思える本だった。自治体によって教育委員会が教師からのセクハラ被害に対して協力的だったり、そうでなかったり違いがあるのも感じられ、そういうところが被害者側の傷の深さの違いになっているのだろうと思った。
あまり知ることのできないスクールセクハラの、教育の、人間の裏側を見ることのできる、様々な人の考えが織り交ぜられた見分の広がる本だった。(810字)
キブサチさん (8k1uyhdq)2022/12/9 14:27削除
普段は避けてしまいがちな本の内容の本こそ、読んでみたら結構ためになるんじゃないかと思わされるような良い文章でした。本の特徴の説明を序盤に持ってくることで話の展開が理解しやすくなっているように感じてとても読みやすかったです。
カヌレさん (8hk1tkzn)2022/12/9 14:28削除
先生側の供述もあるということ、加えて生徒と先生の話から認識の違いがあるということがこの紹介で明記しているのが良いと思いました。本の全体の概要が想像しやすく、どんな本なのかが一読で理解できました。
リョウ・ヒョウヒョウ・ビンビンさん (8htw7uxs)2022/12/13 00:02削除
早坂さんがこの本を選んだ理由や、この作品の特徴、目的などが明確に書かれている事によって、ポイント付けてブックレビューを読むことができました。また、生徒と教師、それぞれの認識が紹介されていて、スクールセクハラの狂気の鱗片を垣間見ることができたように感じます。
ムロさん (8ho1qpjs)2022/12/13 16:00削除
被害者と加害者両方の視点から事件を見るというところに惹かれた。全くの悪意で起こる犯罪は少ないというが、先生側の「自分に気があるから乗ってきている」という言葉から、法律的、倫理的問題はあるものの先生は全くの純粋な恋愛として行った行為だったのかなと思い見方が変わりそうな本だと思った。
えだまめさん (8hlpmoie)2022/12/16 10:23削除
この本を選んだ時の気持ちや、単なる具体的な内容の要約ではなく、事例を見て感じたことが書いてあるため自分も読みたいと思わせる文だと感じた。
トトさん (8hlf0395)2022/12/16 11:28削除
何かの問題を解決するためにはお互いのことを知ることが大切だと改めて感じることができました。短い中で要点をうまく掴んで書いていて大まかなところがすぐに理解できる文章だと思いました。
ノスケさん (8hpetckf)2022/12/16 11:44削除
どのような目的で書かれた本なのかについて説明があり良かった。興味や面白いと思ったポイントが明確で読みやすい。
返信
外石豊さん (8hjyqclq)2022/12/2 16:05 (No.624919)削除
負のスパイラルーー保坂 渉・池谷 孝司『子どもの貧困連鎖』(新潮文庫、2015年)

 オブラートをおやつとして食べた事はあるだろうか。貧困家庭で育った子どもには給食が唯一のまともな食事となっていて、空腹を紛らわせるためにデンプンからできていて1枚約2円ととても安く買う事ができるオブラートは貧困家庭の子どもにとっては都合の良いおやつとなるのだ。こういった事実がある事を知って子どもの貧困について考えてみてほしい。

 この『子どもの貧困連鎖』という本には大きく分けて4つの題材に分けて子どもの貧困について書かれている。1つの題材につき2〜3人の事例を用いて貧困家庭にて育った子どもの生活の質や、感情などを細かく書き記されている。例を挙げると、お金を稼ぐため働きながら通える定時制の学校に通い、定時制に通っているという事だけでアルバイトの面接で不利になり、良いアルバイト先を見つけられず違法な労働に手を出し、深夜にアルバイトをし、労働が終わると終電も無く駅の多目的トイレにて就寝。授業中は眠気に負け寝てしまい、お風呂に入る事もできなかったため、「成績悪いし、臭い」といじめられて最終的には高校を中退した方がいる。また、この方は保険料を滞納していて保険証が貰えなかったが、怪我や病気の時だけ知り合いから2万円を借りて1万2千円を支払い、短期保険証を貰って病院に言っていたというが、短期保険の受付スタッフに2万円を渡し1万2千円の支払いをお願いすると、滞納分として2万円全てを払えと数分に渡りしつこく説得されたという。
 また、まだまだ学歴社会である日本ではこういった子どもたちは就職に不利となり、アルバイトや自営業しか選択肢がないが、自営業をするには初期費用が必要なため、立て直す事が困難であり、その方から生まれた子どもも貧困に苦しむという。
 
 そんな子どもの貧困だが、貧困率が14.2%と7人に1人の子どもが貧困というデータが出ている。こういった貧困の連鎖が起こってしまう社会や、貧困な方に対しての周りの対応などが日本では遅れていて、どのようにすれば解決できるのか。こういった事を考えさせてくれる1冊となっている。ぜひ手にとって読んでみてほしい。 (872文字)
銀燭さん (8hjytxx7)2022/12/9 15:50削除
オブラートは粉薬などを飲みやすくするためのものだと思っていて、それをおやつとして食べる事実に驚きました。学歴社会の中の負のスパイラルに、しつこい説得やいじめなど貧困者に対しての世間のあたりもあり、引き込みが上手い文章だなと思いました。
さん (8hn4n92a)2022/12/9 23:08削除
最初はオブラート?おやつ?という感じでしたが貧困家庭ではおやつとして食されていることに驚きました。文全体の構成が説明されていてわかりやすかったです。
椎名遥さん (8hjyfbyy)2022/12/10 00:02削除
実際に起きている問題を扱った本であり、そこから考えさせられる問題をレビューを通して伝えることができていると感じる文だった。改行がなされていて読みやすくまとめられている。
えだまめさん (8hlpmoie)2022/12/16 11:08削除
オブラートをおやつにしている子供や、定時制高校の例が詳しく書いてあるので、その苦しさを実感を持って読むことができた。
トトさん (8hlf0395)2022/12/16 11:23削除
子供の貧困はニュースでも時々取り上げられていますが、実際はあまり知らなかったです。リアルな生活を知って、自分や周りの大人、行政などは何ができるのか考えるきっかけになるような本だと思いました。
ノスケさん (8hpetckf)2022/12/16 11:32削除
初めの文章が衝撃でしばらく読めなかった。連鎖の様子・流れがよく分かる例の書き方だと思った。
返信
小林奈菜子さん (8hk1tkzn)2022/12/2 15:02 (No.624855)削除
寄り添う者ーー最相 葉月『セラピスト』(新潮文庫 2016年)

 「箱庭療法」や「絵画療法」を知っているだろうか。
 名前のとおり、患者に箱庭の制作や簡単な絵を描いてもらい、そこから患者の経過をみる療法である。しかしこの療法で重要なのは、患者の表現を考察し、理解することではない。それにセラピストはたくさん話し合うことで治療するわけでも、薬の処方だけが仕事なわけでもない。では何が治療に繋がり、セラピストとは何をする人達のことなのか。
 
 本書では筆者本人が箱庭療法と絵画療法を実践した経験談、セラピストへのインタビューや実際の症例が紹介されている。加えて、筆者が大学院へ通い5年かけて得た知識、様々な論文、心理学や療法の歴史に至るまで、圧倒的な情報量で綴られる。そして読み進めるほど、セラピストや精神医療に対する誤った認識に気付かされる。
 まず、治療や回復について。全ての症状に当てはまるわけではないが、上記の通り、患者への質問や制作物への解釈は重要ではない。ちゃんと耳を傾け、常に受け入れてくれる環境を提供すること。安心できる時間が自己治癒へとつながるのだ。ただ話を聞くというと簡単なことに思えるが、はたしてどれほどの人が聞き役に徹することができるだろう。恐らく途中で口を挟むのがほとんどだ。それに、この2つの療法は話すことが得意でない患者に適用されることが多い。密室で10分以上の沈黙に貴方は耐えられるだろうか。
 次に、セラピストについて。セラピストになることも、セラピストでい続けることも容易いことではない。大学院で休まずに実践を積み、修士号取得後やっと資格試験を受けられる。資格も5年ごとに更新、専門性維持のため実務の他に研修会への参加や論文の執筆などでポイントを取得する必要がある。また、患者の増加に対しセラピストの供給が追いついていないのが現状であり、箱庭療法や絵画療法のような時間をかけての療法が難しくなっているのも課題である。
 
 ここまでで貴方のセラピストや精神医療への見方に変化はあっただろうか。心の治療という守秘義務の世界に迫った濃密なルポルタージュ。心理学への入門としておすすめしたい一冊だ。 (864)
銀燭さん (8hjytxx7)2022/12/9 14:44削除
一度は聞いたことがある有名な療法の名を最初に書いた呼びかけが、とても目を惹きます。また読み手への語りかけや質問が多く、読みやすい文章だと思います。誤った認識もしくは先入観があったことを思い知らされ、少し見方が変わりました。
蒼穹の竜さん (8hk0l1ap)2022/12/9 15:00削除
初めの段落によって紹介の本がどのようなものなのかと興味を惹かれました。導入と本の説明と終わりの間に一行ほどの空間があるため、視覚的にも見やすく、文の境目もわかるため内容が入ってきやすく感じます。問いかけの文が入っていると読み手も文章の一部になっているように感じ、参加型で面白くなっています。ぜひ本文を読んでみたいです。
さん (8i3wm1q9)2022/12/9 15:13削除
導入のしかたがうまいとそのあとの文章もすらすら読めますね。すごく読みやすかったです。
すごく気を遣うお仕事なんだなと感じました。セラピストさん自身がむしろその療法にお世話になってしまいそうですね。
精神が強い人に向いている職業だなと思いました。
主食かぼちゃさん (8k1s7udc)2022/12/9 15:16削除
対面授業の時に陳列された本たちを見て、一番目を惹かれたのが本書でした。とにかく分厚くて、その分専門的な研究結果や事例が描かれていたのを覚えています。それを自分なりに噛み砕いて、なおかつ問いかけを入れ、簡潔にまとめられているのがすごいと思いました。
トトさん (8hlf0395)2022/12/16 11:11削除
人が作ったものや描いた作品はどこかにその人の内面が現れてくると思いますが、それを利用したセラピーに興味を持てました。また作品よりも対話を大切にするのは少し意外に思えたので新鮮でした。文章構成もうまくて読みやすかったです。
ノスケさん (8hpetckf)2022/12/16 11:25削除
一文一文が簡潔なので内容が頭に入りやすかった。馴染みのない分野だったが、丁寧な説明があることですんなり読めた。
返信
栃山野乃花さん (8hlpmoie)2022/12/8 23:20 (No.631860)削除
―毎日の食事は当たり前ではない― 辺見庸『もの食う人々』(角川文庫、1997)

普段、あなたはどんな状況で食事をしますか?命の危機に晒されながら、という人は中々いないだろう。本書は筆者が世界各地を旅しながら、さまざまな場所や人と、ものを食べた記録だ。
世界各地のご飯を食べる旅の記録と聞くと、楽しそうなイメージを抱くがこの本はそのイメージを易々と打ち砕いてくる。食べる、あるいは食べられないことに関する問題。例えば、戦争や経済などの社会の出来事に深く切り込む本だ。
この本にはいくつものエピソードが収録されている。その中でも印象に残ったエピソード「モガディシオ炎熱日誌」を紹介する。筆者はソマリアの首都モガディシオを訪れる。ソマリアでは内戦で大量の難民及び、国内避難民が発生していた。当時ソマリアには国連軍が派遣されていたが、筆者は難民と国連軍の格差に驚愕する。93年度分のソマリアの復興・人道援助は1億6600万ドル、これに伴う国連の軍事活動には15億ドル以上だという。この事実について筆者は「どこかおかしい」と述べる。筆者は栄養失調と結核で死を待つだけの少女に何もしてあげられない無力さに打ちひしがれる。その姿が現実感を伴って伝わってくる話だった。
この本を読んで自分がいかに食べるということを軽んじていたかを思い知った。食べ物が溢れる日本に住み、何も考えずに食べ物を残し、捨てていた。食べ物はコンビニに、スーパーに、レストランに行けば簡単に手に入り溢れかえっている。しかし、近年の国際情勢を考えると、この本の中にある問題は近くに迫ってきているのかもしれない。
この本には、気持ちが悪くなるような話や戦争に関わるむごい話が書かれている。それは筆者が自分で見聞きしたことであり、それを読んでいる私もその場にいるような臨場感を持つことができる。食べること、社会について考えるきっかけとなる内容なので、ぜひ手に取ってみてほしい。
(807文字)
銀燭さん (8hjytxx7)2022/12/9 14:35削除
数字が示されわかりやすい一方、最初の語りかけも文末を揃えた方が統一感が出るのではないかと思いました。普段関わりのない戦争や、毎日身近な食事という正反対とも言えるような問題を扱っていて、目を引く本だと感じました。
キブサチさん (8k1uyhdq)2022/12/9 14:46削除
冒頭に普段はあまり考えられない要素を書くことで一気に興味を惹かれたので、良い導入だと感じました。食事という身近な要素から戦争関連の話に展開していくその内容の差に少し驚きましたが、気持ちが引き締まりました。身近な要素から入ることで難しい内容の話にもうまく展開できているように思います。
限界突破さん (8hmqoosw)2022/12/10 21:17削除
冒頭に問いかけが入っていることで、読み手も一緒に考えられるような文章になっているのがいいと思った。また、問いかけの分も本文と統一させた方が読みやすいと思った。筆者が述べていることがしっかり書かれているのもいいと思った。
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sososoさん (8hlne9f4)2022/12/11 23:32削除
読んでいてとても淡々を描かれていてとてもよみやすいなと思いました。
トトさん (8hlf0395)2022/12/16 10:59削除
なんとなく知っていても目を逸らしたくなるような現実があるということが伝わってきた。権力者の影や戦争の背景などにある食についてのリアルを知ることができそうだと感じた。
ノスケさん (8hpetckf)2022/12/16 11:15削除
難民や戦争といった大きなテーマから自身の食についての考えへの結び付け方が良いと思った。
返信
沼田りんさん (8ho1qpjs)2022/12/9 12:19 (No.632338)削除
オウム真理教は悪か――村上春樹「約束された場所でunderground2」(株式会社文藝春秋・2001年)

地下鉄サリン事件
1995年都内を走る路線にサリンがまかれ、14人が死亡、およそ6300人が被害に遭った。

「オウム真理教」あなたは一体どの様なイメージを浮かべるだろうか。

異常、怖い、悪、等々。しかし、この本を読みオウム真理教へのイメージは変わるだろう。変わるというよりは、「オウム真理教」という正体不明の脅威的な存在から、それぞれの真実を知り拒絶する気持ちが和らぐという方が正しいだろう。「真実を知り」と壮大な様に感じると思うが、「真実」という言葉を選んだのは全く当時のことを正確に表現された「事実」ではないと考えるためである。その人個人の感じ方により見え方が異なり、同じ事柄でも「真実」とはその人それぞれある物だと考えるためである。


この本は、村上春樹が行ったインタビュー、オウム真理教信者(元信者)9人それぞれがオウムに入った経緯、内部での生活、事件当時、その人これまでのことについて1人30ページ程で書かれている。
インタビューを通して村上春樹が受けた相手への印象や、「ふふふ」という笑い声等を入れていることで読んでいるうちに「オウム真理教信者(元信者)」という異質な存在から、日常ですれ違う普通の人間の様に感じ、危険性を孕んだ宗教と日常との壁は案外薄いものの様に感じた。オウム真理教を肯定するわけではないが「会社」「学校」「社会」などの日本のシステムへのしんどいと思う気持ちを和らげることができ、救われた場所がカルト宗教であっただけであり、癒しや救いになっていたことは事実であり、「悪」ではないと思った。


「学校行きたくない」そう思ったことがある人は多いだろう。
事件を引き起こした根本的な問題は「狂った人」ではなく、社会のメインシステムから外れてしまった時の正常なサブシステムが日本に存在しなかったことであるだろう。この欠落をそのままにしていては、オウム的なものはまたいつか登場し、同じ様な事件を繰り返してしまうかもしれない。


しかし、善と悪はなくとも「やってはいけないこと」はあると改めて強く感じる。(850字)
主食かぼちゃさん (8k1s7udc)2022/12/9 14:54削除
鉤括弧や行間をうまく活用し、協調したい言葉が引き立っているように感じます。
私もオウム真理教と聞くと、やっぱりサリンや空中に浮く修行のイメージが強すぎて、なんだか怖さを覚えます。
レビューだけで色々共感できてしまいましたが、自分の意見を持つためにも一度本書を読んでみたいと思います。
あかべこさん (8hjyqclq)2022/12/9 15:01削除
「危険性を孕んだ宗教と日常との壁は案外薄いものの様に感じた。」・「救われた場所がカルト宗教であっただけであり、癒しや救いになっていたことは事実であり、「悪」ではない」という筆者の感想がとても興味を惹く内容になっていてとても読みやすいと思った。また、これらが一箇所にまとまっておらず、散りばめられている事で疲労なく読めるのだと感じた。「社会のメインシステムから外れてしまった時の正常なサブシステムが日本に存在しなかったことであるだろう。この欠落をそのままにしていては、オウム的なものはまたいつか登場し、同じ様な事件を繰り返してしまうかもしれない。」という文章がある事でとても考えさせられ、読んでみたいと感じるようなレビューとなっているのだと思った。
さん (8i3wm1q9)2022/12/9 15:06削除
最初問いかけから始まるのがよいと思いました。
「事実」とか「真実」などこう強調されると本の雰囲気などもこちら側でなんとなく想像できていいと思いました。
自分たちと同じ普通の人間がそういう行動をしていたのかと思うと近しくてむしろちょっと怖いと思いました。
蒼穹の竜さん (8hk0l1ap)2022/12/9 15:11削除
読んだ感想が入っているため本の雰囲気が捉えやすいと感じました。文章自体はまとまっているのに、段落と段落の間が広すぎて全体的なまとまりがないように見えてしまいます。文章の良さが少し消えてしまい、もったいなく感じます。隙間を取るなら二行空けるのではなく一行がちょうど良いと思います。
銀燭さん (8hjytxx7)2022/12/9 16:04削除
真実は人の数あり事実は一つのみだということに共感しました。鉤括弧でキーワードを強調しているのはいいと思いますが、重なっているところが少し見にくいと思いました。
メタキンさん (8hn35llv)2022/12/9 20:15削除
文と文の間に空間があって整理しながら読むことができて、読みやすかったです。私は地下鉄サリン事件について詳しいことは知らないので、このレビューはオウム真理教の異質さ、しかし異質だからと言って悪というわけではない、としっかり書いていてちゃんと著者の伝えたいことをくみ取っているなと思いました。
リョウ・ヒョウヒョウ・ビンビンさん (8htw7uxs)2022/12/13 00:00削除
最初に事件の被害が説明されている事によって、この作品の題材の重さを鮮明に感じることができました。一方で、空白が多すぎて文の流れが途切れたように感じ、逆に読みにくいと思いました。空白を取るのなら、一行だけ開ける、改行に留めるくらいにした方が良いように思います。
えだまめさん (8hlpmoie)2022/12/16 10:59削除
初めに地下鉄サリン事件の概要が示されており、事件の惨さを改めて認識させられた。オウム真理教は自分とは遠い存在だと感じていたが、この文は自分とカルト宗教の距離はそう遠くないと感じさせるものだった。
返信
中川結菜さん (8hk0l1ap)2022/12/9 01:18 (No.631929)削除
言葉の教育革命ーー菊池省三・吉崎エイジーニョ『甦る教室 学級崩壊立て直し請負人』(新潮文庫、2015年)

 「いじめのある場所には、必ず学級崩壊がある」

 この本は、北九州の小学校で、31年間戦ってきた菊池省三先生の話である。菊池先生は2012年頃から全国メディアでも注目を集め、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」で取り上げられ、「NEWS ZERO」、「たけしのニッポンのミカタ!」などに出演歴がある。私は先生に教養のある人という印象を持った。
 インタビューを通して次々に飛び出す耳を疑う壮絶な話。「教室でガラスを叩き割り、下にいた人にケガをさせる」「年度の最後の挨拶をする先生を無視する」。先生曰く、「近頃、学級崩壊が少し話題になりにくくなっている。なぜなら、それが当たり前の状態だから」。
 各章では、1根本のなぜ学級崩壊をするのかという説明。2学校が公を喪失した理由。3実際に行った学級での取り組み。4家庭でも実践できる教育法。5先生と構成者の対談。の流れで構成されている。

 北九州の小学校は慢性的に荒れているそうだ。たとえば、暴力団一族が暮らすエリアでは、代々その子息が学校に入学してくる。先生は計6年間、その兄弟、親戚を担任したこともあるという。北九州の問題の多い学校だと、“普通の先生”では学級崩壊から病休、教育委員会に移るといった先生が続出し無理だそうだ。菊池先生は、そういった状況を変えてきた。はっきりと原因を突き詰め、その点に対しピンポイントで効く教育を施してきた。変わらなくてはならないし、変われるのだと。
 この本で大事にされているのは「言葉」だと思った。子供たちが同じクラスの仲間について知ることが必要だ。相手を知らないから、相手を嫌う。そこから学級崩壊の状態になり、いじめが起きる。そこでお互いを知るためには、「言葉」しかない。子供たちが言葉で自分の考えを伝え、相手の考えを聞けるようになるための教育を実践してきた。この本では「ほめ言葉のシャワー」「成長ノート」といった独自のメゾットが紹介されている。
 この一冊を読むと言葉の重要さがわかるため、ぜひ読んでもらいたい。(871字)
キブサチさん (8k1uyhdq)2022/12/9 16:38削除
文章の最初の言葉は、全体の雰囲気を作る役目を果たしてくれるので後に続く内容が理解しやすくなる。そういった点でレビューの冒頭に言葉を持ってくるのはとても良い導入だと思います。自分が抱いた印象を書くことで読み手側もイメージを掴みやすくなると思うのでそれも良い工夫だと思います。ほかにも実例が挙げられていたり、本全体の構成がきちんと紹介されていて、そのうえ本の内容もうまくまとめられており、最後にこの本独自の言葉が記載されていることで読み終わった後も内容が気になり続ける。読んだ人に、書いた本に対してしっかり紹介し興味を持たせる、ブックレビューとしてとても良い文章だと感じました。
メタキンさん (8hn35llv)2022/12/9 20:21削除
いじめと学級崩壊のつながりについて本文に書いてある言葉を使い、2つにどんな因果関係があるのかを分かりやすくレビューに使っているなと思いました。最後のまとめに自分がこの本にどんなことを感じたか書いていて、私も読んでみようと思いました。
さん (8hn4n92a)2022/12/9 22:54削除
著者の説明、構成の流れが簡単に入っているだけで流れが掴みやすく読みやすい文章だと感じました。
確かに友達同士の喧嘩でも、きっかけは会話不足でのすれ違いだったりしますよね。
椎名遥さん (8hjyfbyy)2022/12/10 00:12削除
普段言葉を使うことをしているために、共感することが出来た。レビュー自体も文章構成や「」の使い方から、伝えるための言葉を重要視するように書かれていると感じる。
えだまめさん (8hlpmoie)2022/12/16 10:36削除
目を引くフレーズから始まるため、その後にどんな文章が書いてあるのか興味を持った。著者の印象、内容紹介、この本を読んで考えたことが順を追って書かれているので理解しやすい文章だった。
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菅原羽南さん (8k1s7udc)2022/12/9 12:33 (No.632356)削除
「普通」ってなんだろうーー東田直樹『自閉症の僕が飛び跳ねる理由』(角川文庫、2007年)

 人との会話が困難で、気持ちを伝えることができない自閉症者の心の声を、筆者が13歳の時に記した本書。言葉、対人関係、感覚、興味・関心、活動についての5部構成で、「大きな声はなぜ出るのですか? 」、「どうして目を見て話さないのですか?」などといった58の質問に答える形で綴られている。
 人は皆、それぞれ違う人生を歩み、独自の価値観を育んできた。それゆえに皆それぞれ違うインプットやアウトプットを持っているのは当たり前のことであろう。だが、私たちは障がい者と健常者に分けたがる。そして、健常者の私たちの世界が「普通」だと言い張る。私は本書を読んで、世間一般でいう「普通」とは一体なんなんだろうと改めて考えさせられた。
 
「まるで魂以外は別の人間の体のように、自分の思い通りにらならないのです。それは、みんなには想像できないほどの苦しみです。」、「いつもこの体を持て余まし、気持ちの折り合いの中でもがき苦しんでいるのです。」という言葉が印象的だった。したくてやってるんじゃなくて、やりたくなくてもやってしまう。普通に暮らしたいけどできない苦しみと胸の内を知ってほしい。けどこんな自分も好きで生きている。理解して欲しい。といった作者の気持ちが痛いほど伝わっていきた。もちろん、一概に自閉症と言っても、人によって症状や程度は異なる。本書に書いてあることが全てとは限らないが、普段聞くことができない自閉症者の心の中を少し理解する手立てになってくれるはずだ。

 自閉症についての暗い感情ばかりではなく、作者は本当に豊かな感情を持って過ごしていることが伝わってくる描写も存在する。巻末の短編小説をぜひ読んでもらいたい。まるで小学校の国語の教科書に載っているような、綺麗で丁寧で、大切に読みたくなるような、そんなお話だ。
 彼らは私たちよりも素晴らしく濃い時間を過ごしているんだと感じた。彼らに負けないように後悔しないように生きていきたい。(800字)
カヌレさん (8hk1tkzn)2022/12/9 15:09削除
まず、「13歳の時に記した」という事実に驚かされました。また紹介文を読んで、この本の形式が、質問に答えていく形式であるというのも珍しいと思いました。私は心理学に関する本を選んでいて、自閉症という言葉に近しいものを感じたので、この本の筆者の考え方も読んでみたいと思います。
蒼穹の竜さん (8hk0l1ap)2022/12/9 15:21削除
自閉症の人の声を聞けるという点がとても魅力的な本だと思いました。本の形式が記載されているため本のイメージがしやすくなりました。自分の印象的だった言葉があることで本の内容に少し触れる事ができて雰囲気も掴みやすかったです。まさに読んだ人にしかできない紹介文。
限界突破さん (8hmqoosw)2022/12/10 21:26削除
初めに本の特徴が書かれているのが分かりやすくていいと思った。本文で書かれていた文章を引用して自分が思ったことを述べているので、どういうことを考えさせる本なのかが伝わりやすくなっていていいと思った。
s
sososoさん (8hlne9f4)2022/12/11 23:26削除
文書を読んでこの本を読んでみたいと思う読み手を引き込む構成だった。
トトさん (8hlf0395)2022/12/13 13:39削除
教職課程をとっていて自閉症についても習いましたが、実際の当事者にしかわからない感覚や感情があると思うので読んで知りたいと思いました。また、当時13歳の著者のリアルな言葉が書かれていてぐっと引き込まれました。読んだ後の決意も書かれていてしっかりと読み込んだ上で自身に落とし込んで考えていることが伝わってきました。
えだまめさん (8hlpmoie)2022/12/16 10:29削除
本文からの引用で内容を簡潔に伝えているので読みやすかった。また、巻末の短編集に誘導することで本を手に取ってみたいと思わされた。
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